2009.01.13

麻生首相、辞めないで

【安達正興のハード@コラム(No.1314)です。☆北欧移住者が日々世界を語る辛口コラム☆】

● 麻生太郎を応援します
麻生首相、支持率10%台に! ホー、国民から見放されましたか。にしてはよくがんばっておられる。そこで麻生支持の弁を作文しようと思う。実は麻生さんが首相になるのはとんでもない、大野伴睦や河野一郎が首相にならなかったのは自分がその器でないとちゃんと知っておられた。で首相に選ばれたからにはまっしぐらに邁進する義務があり、麻生さんの言『途中でなげだしたりしない』に、それじゃ応援しますからね。という気になったしだい。

【失言】
言葉のまちがい、未曾有をミゾユウと言ったなんてのは一笑しておしまいでよい。失言やいい間違いはブッシュのお得意、サルコジも不適切発言が多く、エリツィンときたら言う事やる事ハチャメチャだったが、だれにでもある偶発的なシクジリを捕らえてあげつらうメディアがあっても政治的に利用する批判はタチが悪い。またそれに踊らされる世論にハラがたつより情けない。

余談:ところで未曾有の読みについて、ラジオや大人が話しているのを聞いておぼえるわけですが、わたしはミゾーウ、あるいはミゾウウとも聞き覚えた。しかしひらがなにすると「みぞう」になってしまうところからいまではミゾウと発音するのが正しいと変わったのではないかと疑っていて、やや違和感がある。小生と麻生さんは同年である。生まれ育ちは、あちらがエエシの子でありこちらはどこの馬の骨でもないが、ミゾユウと言う同世代がいたことに正直おどろいた。

【定額給付金-】
全国的に人気がわるい措置に成り果てた。とくに支払いが年越してしかも来年になるなんてのは冗談もいいかげんにせいだわな。誰の責任ですか、みなさんツベコベいわずにくれるお金は貰っておけばいいものを、重箱の隅を突っつくような議論にウツツを抜かしているからで、麻生さんの失策ではない。ま、こういう納税者に均等に現金支給するのはブッシュの税還付金と同類で、効果的な経済政策ではもちろんないけれど、省庁のムダ遣いよりよっぽどマシでしょ。

この手の給付金は欧州で聞いた事がない。記憶を辿ると毛沢東が地方視察のおり地元民に生活用品を配ったり、金日成が小学児童にランドセルを贈ったりしたり、ちょっとした手みやげが撫民工作つかわれた。民は泣いて感激し、涙を浮かべ手を摺合わせて領袖さまを拝むのであった。いかんせん、麻生さんの給付金に泣いて喜ぶ日本人はいない。難癖つけるのが大好きな日本人を喜ばせる結果になった。だが、断じて首相の失政ではない。呉れるお金はゴッツアンでいいのだ。

【景気対策と消費税】
景気浮揚策を盛り込んだ本年度予算案は速やかに採決するべし。08年の二次補正予算もまだでしたっけ。オバマは超党派あの手この手のレトリックで上院/下院での早期成立を促している。オバマ批判はこのさい割愛するが、緊急経済対策に関わる予算のスピード成立は日米どこでも不可欠だ。早々に審議するべし。しかるに小沢さんはこれを政争の具にし、衆院解散を条件に予算案成立に協力するとおっしゃる。変節の人・小沢さんの言動経歴を想えばさもありなん小沢センスである。この人が「首相にふさわしい人」のトップになったんですって? さはあってならぬ世論。

●飽き性になった日本人
阿部少年をイジメ抜いて足を引っ張っり不登校に、慌てて首相にした角のない福田隠居をサボタージュして動きを封じ内ゴモりに、次の麻生ボーイに飽きて小沢が出来そうだといっせいにそちらを試したくなる日本人。ツマミ食い根性が日本の政治を軽くする。なんちゅう軽チャー、おっとこの言葉も古いか。(了)

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2007.01.10

独裁者ワースト5(その1)

あだっつぁんのハード@コラムです。

●暴政、最悪の独裁者たち
ABCテレビのブライアン・ロスがニュース番組でインタビューし、ワースト5は誰か5番目から上に向かって質問。映像から概略速記した答えをその順序にそって、また氏の出版物から補説し時事的な私感もまじえてご紹介します。(映像はABC放送電子版,ロス氏のInvestigating Teamからアクセスできます)なお、ワレチンスキーは氏が編集主幹をつとめる雑誌『パレード』2006年1月号でワースト10を発表している。そのときの順位からことしは、死亡したウズベキのカリモフ、昨年はおとなしかったミャンマーのタン・シュエやジンバブエのムガベがワースト5から落ち、胡錦濤とイランのハメネイが浮上した。

まずワレチンスキーによる独裁者の定義と:
国民の生活を専制的、恣意的に規制するに一国の首長、その地位は法的手続きよって解任できない。最悪の独裁者とは 酷い人権侵害、虐待にあり、このランク付けは、国際的な人権擁護団体がそれぞれ発表しているレポーとを参考にした。カダフィとムシャラフすでに一昨年トップ10から消えたが、これは他の独裁者がより悪くなったためにすぎません。

#5 アブドラ国王、サウジ・アラビア (5-7)
サウジは米と同盟関係にあり、豊富な石油に依存する西側はとかくこの国の人権に目をつぶりがち。国民は法的に全て政府公認のイスラム教徒でなければならない。非常に厳格なイスラムによる法律は女性の地位が低く離婚の場合母親は子供は男子が7歳、女子が9歳以上になると母権を失う。女性は車の運転禁止。学校の教科書たる身震いもの。全ての電話はレコードされ、カメラ付き携帯は禁止。公務員はジャーナリストや外国メディアの取材を受けてはならない。女性は公衆に顔と体を見せてはいけないことはよく知られているが、一緒に外出できる男は親戚に限られる。恋人じゃダメだからフツウの恋愛すらできない。
アブドラ国王は82歳、王位に就いたのは2005年だがファド国王が心臓マヒで倒れてから10年実権を握る。ただし西側首脳とは会えば柔和で物わかりが良く、おそろしい独裁者には見えないところがクセモノ。

#4 胡錦濤主席、中国 (4-6)
訝るより驚く向きも多い選択ですが、経済成長に関心が奪われ人権問題にめくらになっている。人権蹂躙の分類上、最多22の範疇で報告されているのが中国。民間TV、ラジオはなく、電話、ファックス、E-メールが監視され、手紙は当局によって検閲される。反体制者は政治犯として『再教育キャンプ』へ送られ、北朝鮮や、ソ連時代のグーラージュとおなじく強制労働にかり出され、その数、25〜30万人といわれる。西側から問題視される死刑の多さや処刑者の臓器密売などよりもっと酷い。刑事犯で証人喚問が行われるのは5%以下、有罪判決が99.7%。掴まったら最期、ロクな裁判も受けられず有罪にるわけだ。2008年のオリンピック開催用地とインフラ整備に40万人が汚職で目減りしたわずかな補償で家を去らなければならなかった。新興開発地で立ち退きにあった住民の暴動騒ぎは年に数百件が公式発表、実態は数千件か。胡錦濤は総書記、国家主席、党と国家の両軍事委員会主席の最高4権力を手中にする独裁地位にある。靖国問題に独裁者の恣意的な面がよく出ている。

(3、2、1位は次回に続けます。今日はブッシユ)

*David Wallechinsky
日本語訳は出版されていないが“Tyrants, The World's 20 Worst Living Dictators”(暴政、生存する世界の最悪独裁者20人)2006年5月出版、の著者。NBCのコメンテーターでもある。オリンピック歴史家で夏期・冬季開催ごとに出版されるオリンピック豪華本の著者として有名。そのほかベストセラー“The Book of Lists”や“The People’s Almanac”がある。サンタモニカと南仏プロヴァンスの自宅を行き来する。父は作家、シナリオライターのアーヴィング・ウォレイス。(Harpers Collins出版社の著者紹介、他による)
余談ウンチク;父の苗字Wallaceは移民官が適当に英語風に書き換えたため。本名がWallechinskyであることを発見した(さすが歴史家)息子のデイヴィッドが怒って本来のロシア名に住民登録を改めさせた。でも父は作家ウォレイスの名で通っていたのでその戻さなかったので実の父子で姓が異なるのです。当地でも昔ロシアや東欧から移民した人でノルウェー風に改名している人がいるが、当人が改名を望んだケースも多い。初めて日本に滞在したノルウェー人はオランダ船でやってきたバルトルスーンと呼ばれるベルゲン出身の鍛冶屋さんで、家光将軍に仕えた記録がある。この名前も語尾の−senをオランダ式に−zoonと船員名簿に書き記していたのが原因。

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2006.11.20

発展ベトナムを印象づけたAPEC

『安達正興のハード@コラム』の934回目です。

●西側の投資が増える
APECハノイ会議(18,19 日)が終わる。ブッシュが赤絨毯でベトナムに迎えられたのは、参加首脳への公平な儀礼上のためだけではない。ベトナムへの西側からの投資はうなぎ上りに上昇しつつあり、米企業の投資もふえている。いま、ベトナム各地の治安の良さは、アメリカ人が自国の町を歩くより安全というくらいである。

国土を破壊した敵国アメリカと友好に発展する現在のベトナムが、北朝鮮とイランの指導者の眼にどのように写っているのか。効果のある米の制裁に日本側の対北制裁が本格化してくると、経済活動はマヒする。中国、韓国の経済支援と交流継続よって体制維持できても発展はおぼつかない。

イランも同じで、経済は米主導の金融制裁で経済規模が30%縮小、西側投資の多くが撤退し新規の投資はほとんどない。間隙を突いて中国が石油ほかインフラ事業に巨大投資をしているが、それで足りることはない。中国の政府間支援と投資で発展した国などないのです。投資は民間にお金が循環する民間企業に行われてこそ発展する。ベトナムが良い例だ。

●制裁で落ち込んだイラン経済
イラン国民は革命前にある程度の自由を知っている。その世代が少なくなったが、イスラム原理主義的なアフマディネジャフに反対する国民は多い。言論統制が厳しいので従っている様子は、サッダムが統治していた時代のイラク似ている。侵攻にコリゴリのブッシュはイランにも北朝鮮にも軍事攻撃はしない。任期後2年ですから実務的にできっこない。そして金融制裁がジワジワ効いてきたのに自信をつけたブッシュはAPECでも国連決議にもとづく対北制裁の履行を各国に迫るのです。中露韓に断られたが気にしない。そのため6か国協議が決裂しようが知ったことか、でしょう。

●ライス、中国に苦言
ブッシュ大統領にに同行しているライス長官が、TVで中国批判をしました。『中国の軍事費拡大は地域の役割を超えている』"It's sometimes seemed outsized for China's regional role."と、先日沖縄沖で米の航空母艦から見える所に中国の潜水艦が浮上した事件が念頭にある。国際水域であっても接近しすぎる、中国の軍拡がひきおこしたと言いたげである。そのうちね、ハワイやシスコ沖の国際水域に出没しますから、その頃米は民主党大統領です。ヒラリーさんならなんとする?(了)

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2006.11.01

タリバン聖域を『暁の急襲』

安達正興のハード@コラム 第928回です。

●手づかずだった部族セミ自治区
パキスタンがタリバンの聖域と目されるMADRASSA(イスラム神学校)に『暁の空爆』を決行。ムシャラフは思い切った事をやりましたね。しつこくブッシュから圧力を受けていたのでしょうが、知らなかったな。このアフガニスタンとの国境地域は歴史的に部族のセミ自治になっていて、イスラマバード政府はなかなか手が出せないでいた。やれば、国境地帯の各部族とイスラム宗教に立脚する野党連合がムシャラフ打倒で結託し、軍はムシャラフ派と反ムシャラフにわかれて国内は暗い内乱時代に突き進む事態になりかねない。

●タリバンを聖域化したワリジスタン合意
ワリジスタン合意というのがある。今年始めに一部族(北東国境のバジャウル族、ペシャワールは隣接する都市)とパキスタン政府軍の間で成立し、バジャウル族は越境してくるタリバンをストップし武装タリバンの活動を禁止するとなっていた。今年の1月、ザワヒリ副官が民家での会合に現れる情報を得て米軍が『暁の急襲』を行ったが直前に逃げられ、犠牲者18人の大部分が民間人だった。あの事件の直後にこの同意が成立したのである。で、今回が『暁の急襲』第2弾というわけ。

●地盤を固めたムシャラフ
そりゃ、米の主権侵害だものムシャラフは困ってああいう同意で鎮めた面もある。ところがこの同意によってかえってこの地域がタリバンの聖域になってしまい、正式調印が遅れ遅れになっていた。で、米からものすごい圧力があったのだが、正直そうでタヌキのムシャラフは先の行動が読みにくい。びっくりしました。たしかに最近のムシャラフ地盤は揺るぎない絶対権力に立っている。
この日もプリンス・チャールスとカミラさんを迎えて余裕綽々どこ吹く風ですからね。尤も翌火曜日(今日の事)に予定していたプリンスのペシャワール訪問はキャンセルされました。余計ですがチャールスのスーツは仕立てが違う。身体にピッタリ、着こなしもいいしいつも唸っております。

●原理派過激分子を養成してきたイスラム神学校
さて、この神学校からイスラム原理過激集団が巣立っているのは周知の事実である。だいたい15歳から25歳の若者が寄宿し、軍事訓練が教科にくまれている。学校は離れて独立した建物なので民家への被害はなかった。神学校をテロリストのトレーニングキャンプ、神学生たちをアルカイダ/タリバン志願兵とみるか、あるいは住民部族のように犠牲者は無実の一般市民で攻撃は弁解の余地のない蛮行と糾弾するか、このギャップは永遠に縮まりそうにない。

30日夜明け、パキスタン空軍が戦闘ヘリで急襲した事件の片々を部族側の意見を中心に参考のためあげておこう:
▽ 死者役80名、殆どが吹き飛ばされているため認知は困難。
▽ 神学校はラマダンが終わり授業が再開されたところ。
▽ 野党リーダー(Qazi Hussain Ahmed)は30名が子供という。
▽ ワリジスタン合意を政府が破った。
▽ 政府軍8万人が部族地域アフガンとの国境地帯に展開。
▽ 夜中に襲うのはイスラムの教えと伝統に反する。
▽ 急襲は米軍が背後で指令した。政府が遂行したというのは反米抗議の全国的嵐を防ぐためである。
▽ 同日午後の追悼集会で1万人の会衆を前に演説したアルカイダ関連のリーダー、ファキール・ムハンマドは攻撃30分前に学校から避難、校長で過激教師のマウラナ・リアカト師は死亡。
▽ バジャウル地域、ラホールやペシャワールでは星条旗を燃やし、スローガンは"Death to Bush"。なぜかアンチ・ムシャラフの標語がない。(了)

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2006.10.30

イラク政府と駐留米軍のいがみ合い

安達正興のハード@コラム ! の第927回です。

●血の10月と11月選挙
イラク情勢がどんどん悪くなると、米とイラク政府の間でいずれツミのなすり合いが始まる、これは当然考えられたことですが、実際に始まりましたね。名誉或る撤退のソトヅラを残していかに早いとこ切り上げるかに焦点が搾られてきました。しかし一週間後に迫った選挙まではStay the course(政策変更なし)を貫く。貫いて負ける。

だってこの月米兵が100人も死ぬ事態になって、駐留米軍に移動がなければブッシュ共和党を支持するのは難しい。いま1年以上先の撤退期限を示しても負けるので、どうせならドッシと構えて現政策を続行して負けた方がブッシュらしい。ラムズフェルドを擁護し、チェイニーを庇うブッシュを頼もしいと見る向きもあるはず。反面このところイラク人は毎月3000人殺されているが、アメリカ国民はどう思ってんでしょうか。

●米イ、政府間の食い違い露呈
ブッシュがイラク政府に示したのは治安回復のベンチマーク、目標期限であって撤退期限ではない。これでも相当にマリキ政府としてはアタマに来ているようで、駐留米軍に対する不満が24日、ケーシー司令官とハリルザド駐イラク大使がこの日程を年内にイラク政府と作成すると発表したとたん、『そんな約束はしていない』と反撥した。

シーア派のマリキ首相は、サドル師の民兵組織マハディ軍団の応援票で当選した人であり、宗派抗争でシーア武装派への対処が煮え切らない。で、アフガン生まれでスンニのハリルザド大使がシーア武装派を退治逮捕せよと突っつくのが気に入らない。新憲法に則して選ばれたレッキとしたイラクの首相に大使ごときが命令するとはなにごとか!『お前さんはP・ブレマー(暫定占領時の行政官)じゃない』。という反撥。ま、どっちもどっちだ。そこで、先日の米イ首脳ヴィデオ・テレ会談でブッシュがマリキをSovereign Leader主権国家の指導者として確認、協調してゆくことでを手打ちした。このTV会議には通訳だけでライス長官が出席していない。簡潔にしたかったのでしょう。

権限委譲しておきながら口を出しすぎる米軍、イラク警察・治安軍への装備支援が遅れがちなことは大問題なのですが、そのあたり米軍の認識が甘い。他国に駐留する軍の宿命かもしれないが、米兵のパトロールはヘルメット一つにしても多機能で通話装置、ライトに夜間望遠鏡などついている。何が入っているのか、大きなリュックを背負っている。小銃一丁のイラク兵と差がありすぎるではないか。

●イラクが対米テロ攻撃基地になる妄想
ブッシュはイラクが宗派間内乱の結果、イラクが対米テロリストの国となり、米本土を攻撃してくることを、本気かつ大まじめに怖れている。イラクでの戦いは『米国をテロリストから守る』ためという理由が常套句として用いられるが、果たしてそうだろうか。

ベトナムは米本土攻撃の基地にならなかった。ハマスもヒズボラも米本土を攻撃しない。タリバンもそうだ。イラクの宗派抗争似よる内乱から実権を握った最強武装派が、イコール米本土へテロを企てるだろうか。ブッシュは妄想に取り憑かれていやしないか。残り少ないネオコンだってそう思っているが、ブッシュ、チェイニー、ラムズフェルドはネオコン(転向保守)ではなく、アーチコン(根っからの超保守)なので方向転換がうまくできない。(了)

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2006.10.24

経済破綻をもたらしたハマス政府

『安達正興のハード@コラム』2006年 10月 24日 火曜日 925回目です。

●パレスチナの食料危機
この冬には、ひもじくて寒くて餓死する人が多数出ると予想される北朝鮮が心配されますが、いまパレスチナもおなじくらい食べるに困っています。今年の1月、ハマスが民主的な選挙で勝利し、ハニヤが首相に就任、ほか政権の主要閣僚をハマスが占めた。ところがあのガンコというかイスラエルを認めない立場をいまだに貫いていて、『イスラエルは存在してはならないと』いうイランのアフマディネジャフの考えとぴったり一致する。ハニヤをすっかり見誤りました。

で、一月以来、西側の経済制裁が続いていて、よく持ちこたえるな。ハマス組織へは従来通り近隣アラブ国から義金が入るので指導部はま、いいだろう。しかし役人の給料は殆ど支払われていない。パレスチナ自治政府の財政は、設立以来ずーっと、何十年もずーっとです、米とヨーロッパ/EUの援助でまかなってきた。役人が消費する給料はガザや西岸を巡り、経済は成り立っていた。

でもいまは国中お金がないのだから商売も出来ない。国外貿易は制裁措置を受けている。商売ができなくなったブローカーや中小企業主は祖国を脱出し、経済の大きな部分であったイスラエルへの出稼ぎも厳しくなった。

●ハマスがパレスチナを滅ぼす
ファタとハマスは武装派レベルで市民戦争と言って良い状況です。先日金曜日、ハニヤ首相のコンボイが銃撃されたのも、言われるようにファタとハマス武装派が衝突したトバッチリなのか、独立派がハマス暗殺を企てたのか疑いが残る。

治安部隊はハマスの元軍事組織を横滑りにしたハマス主導だが、アブ・マーゼンは退役将軍のイスマイリを呼び戻して対抗。するとハマスはファタの本拠地・西岸にも治安部隊の基地を新設すると発表。対立はエスカレートするばかりである。20日エジプトの徹夜調停で双方が武力衝突をさけることで合意したが、あんなもの翌日から元の木阿弥だ。

●決断したアブ・マーゼン
アブ・マーゼンは国連総会から帰ってからハマス排除を決断したようだ。ニューヨークで中東を含む各国首脳の多くからハマスを退治するよう圧力を受けて、そうすることに協力を得た。イスラエル発の情報では来月はじめ、アブ・マーゼンが解散総選挙を命じるか(大統領権限)、もしくは国民投票で政府不信任を問う。。ハマスが過半数を失う新政府樹立が目的。イスラエルとの共存/和平交渉再開、国際的に認定され経済制裁を解除してもらうためにはこれしかない。『それは憲法違反だ』と反対するハマスに『いまは民主主義よりパン』と応じた。アフリカや北朝鮮だけではない。パレスチナ人民も食料支援を求めている。(了)

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2006.10.18

動き出した対北制裁決議

安達正興のハード@コラム !

●制裁決議は空条文ではなかった
北朝鮮への制裁決議が履行されるのか、中露韓の様子からは本腰を入れないように見受けられたが、風向きが変わった。決議採択後中国は北銀行口座を一つか二つか、数は解りませんが凍結し、送金停止したうえさらに石油・米の支援棚上げも示唆している。これはリンゲルの栓を締めるゼスチャーです。

どういう風の吹き回しだろう。決議前には唐家センを米とロシアに派遣して外交優先を訴え、ロシアでは合意声明をだしていた。決議後いちはやくロシア特使が平壌に飛んで事後策を話し合っていたのだが……

●新しい中国の矛先になった金正日体制
胡錦濤とその指導部は、言う事を聞かない隣国のひとつに対して、いつも非難の矛先を手元に持っていた。内部に於いては、指導部結束のための便利な道具に利用されてきた。常には台湾が矛先NO1で、この数年は小泉靖国に矛先をちゃった。その間、中国は台湾を徹底的に敵視する事はなかった。さていま小泉引退で相手を見失った中国トップは、北朝鮮に向かって怒りが一度に爆発したかにみえる。「

思い知らせてやる」なんて発言をよく聞くようになった。かねがね親切にしてやった北朝鮮のわがままにメンツを潰されたおもいがある。またわがままを許してきた江沢民一派は寝返りと追放でカタナシになった事情も、胡錦濤がニックキ奴は金正日にあり、安倍晋三は大事な相棒になりおうせたのでした。

●対北タカ派でリードする日本
それだからでしょう、日本が次々打ち出す制裁措置に中国がやり過ぎとも言いませんな。あの王毅駐日大使はこのごろニュースに出なくなりました。日本は米がやる臨検に後方支援のほか、オブザーバーみたいにくっついていくという。

また、国連決議に準じて車、高級酒、タバコなどの贅沢品を輸出禁止にする付き合いの良さ。この贅沢品については決議ドラフトの項目でいちばん短い2語だけ、(iii) luxury goods; とあり、前回のコラムで笑ったのでした。日本は実に律儀ですな。やはりわずかでも海と隔たった日本は、陸続きの韓国や中国より大胆になれます。

●褐色に変わったライス長官
さて、ヒル国務次官補に続いて、ライス国務長官が日韓中に決議案の履行をダメ押しにやってきた。出発前の長い記者会見で、サインしたからにはちゃんと履行してもらわなきゃ……みたいなことを強調。中国と韓国に要請するのが主目的である。このライブずっと見ていたのですが、この人の言い回しはブッシュより高級で、チト解りづらい。で、ライスさん近頃とみに色が薄くなったな、補佐官に就任した頃は真っ黒な顔だったのになあ、なんておもいながら恋をしているウワサのお顔を観察しておりました。

余談:国連決議は北朝鮮国民に知らされたいない。労働党61周年夜の式典はトーチを持ったマスゲームでした。とにかくいつも停電しているように真っ暗な平壌ですから灯りの効果はある。あれは石油をしみ込ませたワタでしょ? そんな無駄遣いしていいのかな。(了)

筆者へのメールはこちらまで、→mailto:adachi@online.no

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2006.10.15

対北国連決議は制裁よりメッセージが主体

パノラマボックスから発信!の人気コラムです。

『安達正興のハード@コラム !』

●大島国連大使の快挙
北朝鮮に対する国連安保理の決議は、2度目になります。テポドンでは大島国連大使がハッスル、今回は日本が議長国としてソツなくまとめました。こういっちゃなんですが、以前、この人が在豪大使の頃辛口書いたことありました。あまりパっとしてはいけない外交官でしたから、これまで目立たなかったのですが、国連大使になってから大仕事をされました。そういえば棒読みで過ごした大使に小和田というサロン大使がいましたっけ。大島大使は落としどころを心得た文句ナシの議長ぶりです。

国際規則やぶりに対する国連決議は、一週間を過ぎれば決まったところで実施効力はきわめて低くなる。ちょうど間に合った。国際社会が理事国一致して即応することに意味があるので、14日の制裁決議は内容はともかく歓迎すべき事態。もって国連のために、また日本独自の対北制裁が浮いてしまわないためにも結構なことです。

ボルトンがいみじくもコメントしたようにこの決議は核拡散防止条約をかいつまんで明文化したもの。それ以上でもそれ以下でもない。というのは軍事行動を含めないことは中露と協議するまでもなく、ブッシュとライスはそのつもりがないことを早くから明らかにしている。イラク決議ではこの軍事を仄めかしたためにご覧のザマになったのでもうコリゴリなのだ。対イランだって決議も部分的な経済制裁に限定されるだろう。

●石油・米、医薬品支援はOK
この国連決議1718はかなり長文でザっと読むとWMD兵器に加えて通常兵器の流通を禁止する具体案がいっぱい羅列してあり、贅沢品も禁止項目に入っているのは笑える。金将軍サマのお好きなワインや葉巻のことだろうか。で、石油とコメ食料や医薬品の輸出・支援はこの制裁に含まれず、こういう人権ジャンルと怪しくないビジネスは口座封鎖などの金融制裁から除外されている。

また、ハッキリ書いてあるわけではないが、北朝鮮が6カ国協議に復帰すれば解除されると中露は考えている。そういうわけでこの決議は中露に韓国も共同提案国に加わったのでした。ホネ抜き? いえ、そんなことはないので、ご承知のように武器以外にも麻薬や不法送金の口座凍結で北は困窮している。核実験の意図は米の金融制裁がセッパ詰まった果ての突破口なのでした。

●危なっかしい臨検
さて、問題は臨検。これはしても良いという認可であり、したがって実施するのはおそらくアメリカ軍用船だけだろう。中国やロシアの警備艇が本気で行なったりしない。日本へはもう北の船が入れないから問題なかろう。すると、米はまた世界の警察とかで孤立してしまわないか。当たり前だが、米軍の船が東シナ海をウロウロされて中国がうれしいことはない。海上臨検で確たる証拠がなくてイザコザが起こると、米は不利だ。

一方、北朝鮮はこの決議でどう変わるか、金体制の行くへは……。誠実に発言するなら『まったくわかりません』ですが、無責任に予想すると、北朝鮮はまだまだ持ちこたえます。中国とロシアはリンゲルを外さない。そして韓国はひと月もすればもういくらでもご都合に応じる本性に戻ります。安全保障としての支援もあるがビジネスチャンスの魅力はもっと抗し難い。(了)

筆者へのメールはmailto:adachi@online.no まで。

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